29日に東京・日本武道館で行われた柔道の全日本選手権で初めて女性審判員が起用され、主審と副審を機敏にこなした。

 男女平等の理念から、15人で構成する審判団に女性3人が入った。全日本柔道連盟(全柔連)の女子柔道振興委員会委員長を務める松田基子氏は無難に裁き「過去の先輩たちが道をつないでくれた。日本柔道界にとって大きな一歩。やりがいと責任を感じて畳に上がった」と感慨を込めた。

 天野安喜子氏は決勝で副審を務めた。これまで五輪や世界選手権など大舞台を経験しているが「独特の緊張感を味わった」という。樽谷哲子氏は「女性審判員が特別でなく、普通の存在になっていかなくてはいけない」と継続性を訴えた。

 全柔連の西田孝宏審判委員長は「性別に区別なく、審判全員が高等な技術を持っている。男女の構成比率も変化していくだろう」と評価した。