“幼なじみ”が刺激だ。滋賀県彦根市で育った。決勝の日は、元祖ゆるキャラ「ひこにゃん」の靴下をはくのが験担ぎで、ブダペストにも1足持参している。そんな21歳が、彦根市立東中時代に全国大会で活躍すると、彦根市の表彰式で顔を合わせる、同い年の男の子がいた。車で約10分、隣の彦根市立南中の桐生祥秀だった。地元では水泳と陸上で有名な中学生として、互いに顔見知りだった。

 ともに東洋大に進学。昨年1月の成人式では隣の席に座って式典に参加した。「SNSとかちょくちょく絡んだり。学校の学食で会ったりします」。そんな「ジェット桐生」は昨年のリオ五輪で男子400メートルリレーで銀メダルを獲得した。その姿に「私も頑張ります」と発奮。桐生と同じ銀メダルを獲得した。3年後の東京五輪では「彦根水陸ダブルメダル」も視野に入れている。

 リオ五輪後に飛び出した新星が、初の世界大会でメダル獲得。最終日の30日には、本職で今季世界ランク1位の400メートル個人メドレーだ。大橋は「自分にできる最大限の努力をして、持ち味を生かしてメダルをとりたい」。遅咲きの21歳が、2個目のメダルに照準を合わせた。【益田一弘】