<テニス:ウィンブルドン選手権>◇初日◇22日◇ロンドン郊外オールイングランド・クラブ

 長いトンネルから脱出した杉山愛(33)が涙を流した。「1回勝ったくらいじゃ泣かないですよね」と言いながら、記者会見でも涙を見せた。

 1月の全豪オープンで3回戦まで進んだ後、シングルスの白星に見放された。ツアー8大会連続で初戦敗退。「練習で良くても試合で勝てなかった。負け続けた時も一生懸命やってきてよかったと思う」と安堵(あんど)感をにじませた。

 対戦したシュナイダーとは過去3勝2敗ながら、今大会は第21シードで相手が格上。だが「彼女は芝は得意じゃない。自分のテニスをすればチャンスはあると思った」と気持ちで負けていなかった。第2セットは5-2から連続ダブルフォールトを犯してブレークされ、嫌なムードが漂ったが、最後はサービスキープで締めくくった。

 9年前から二人三脚で戦ってきた母親の芙沙子さんに代わり、今大会から元全日本チャンピオンの寺地貴弘氏を新コーチに迎えた。ウィンブルドン選手権は5年前に8強入りした相性のいい大会。「1つの勝利がいい流れを持ってきてくれると思う。次に生かしたい」と自らを奮い立たせた。