2016年夏季五輪招致を争う東京、リオデジャネイロ、シカゴの3都市が29日、国際オリンピック委員会(IOC)総会が開かれるコペンハーゲンで相次いで記者会見した。東京は「WHY

 TOKYO?」と題し、東京での開催意義をアピールするもくろみだったが、外国記者の姿は少なく、質問したのも内外合わせて3人だけだった。

 勢いのあるリオを、オバマ米大統領の総会出席で息を吹き返したシカゴが追う情勢を反映するように、両都市の会見にはいずれも100人前後の報道陣が集まり、熱気に包まれた。

 リオの会見では招致委員会のヌズマン会長がいつもの熱弁を振るった。「自分の国で、自分の大陸でヒーローが生まれるときに、若者はスポーツに引き寄せられる」。悲願である南米初の五輪開催へ思いをにじませた。

 シカゴは室内プールの上にステージを設けるという、凝った会場で約20人の五輪、パラリンピック経験者が参加した。「白い妖精」と呼ばれた体操女子のナディア・コマネチさん、陸上男子のマイケル・ジョンソン氏といったそうそうたる顔触れが、ライアン招致委会長の背後に陣取った。

 両都市の会見ではシカゴのデーリー市長のリオに対する最近の発言が、IOCが禁止する「他都市への中傷」ではないかと質問が出るなど、メディアによる“代理戦争”の様相も呈し、対決ムードが高まった。

 マドリードは30日夜にコペンハーゲンで初の記者会見を開く。