国民が熱狂したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に石川遼の快挙。多くのドラマが生まれた1年で、共同通信社が選んだ日本スポーツ十大ニュースは-。

 <1>侍ジャパン2連覇

 野球の第2回WBCで原辰徳監督が率いた日本が2連覇を達成した。北京五輪金メダルの韓国との決勝は、3-3の延長十回にイチロー(マリナーズ)が決勝の2点適時打を放って劇的な勝利をもぎ取った。MVPには3勝を挙げた松坂大輔(レッドソックス)が第1回大会に続いて選出された。

 <2>石川が最年少賞金王

 男子ゴルフでプロ2年目の18歳、石川遼が賞金約1億8千万円を獲得し、尾崎将司の26歳を36年ぶりに更新する史上初の10代での賞金王となった。女子は横峯さくらが最終戦の逆転優勝で初の賞金女王、米女子ツアーでは本格参戦4年目の宮里藍が初優勝を果たして賞金ランクも3位と躍進した。

 <3>イチロー、松井活躍

 米大リーグでイチローが史上初となる9年連続200安打。通算安打でも張本勲の3085安打の日本プロ野球記録を更新した。松井秀喜はワールドシリーズで3本塁打、8打点と活躍してヤンキースの9年ぶり制覇に貢献、日本選手初のMVPに輝いた。シーズンオフにはエンゼルス移籍決定。

 <4>鹿島が初の3連覇

 最終節までもつれたJリーグ1部(J1)は鹿島が、川崎を振り切って史上初の3連覇を成し遂げ、最多を誇る優勝回数を7に伸ばした。ヤマザキナビスコ・カップはFC東京が5年ぶり2度目の優勝を飾った。

 <5>巨人7年ぶり日本一

 セ・リーグを3年連続で制した巨人が、日本シリーズでパ・リーグ王者の日本ハムを4勝2敗で退け、最多記録を更新する7年ぶり21度目の日本一となった。原監督はWBCに続いてチームを頂点に導いた。

 <6>4大会連続W杯へ

 サッカー日本代表はワールドカップ(W杯)南アフリカ大会アジア最終予選A組で2位となり、4大会連続4度目の出場を果たした。本番では1次リーグでオランダ、カメルーン、デンマークと同じE組に入った。

 <7>白鵬が最多勝更新

 大相撲の横綱白鵬が九州場所で全勝優勝を遂げて年間86勝とし、朝青龍のマークした84勝の最多記録を塗り替えた。朝青龍は秋場所で北の湖に並ぶ史上3位の24度目の優勝。また十両若麒麟が大麻所持で逮捕、解雇された。

 <8>東京五輪招致失敗

 2016年夏季五輪開催地に立候補した東京は落選。次の20年五輪に招致再挑戦を表明し、広島、長崎も被爆地共催で招致を検討。また16年五輪での野球、ソフトボールの実施競技復帰はならなかった。

 <9>亀田興2階級制覇

 世界ボクシング評議会(WBC)フライ級タイトルマッチで、挑戦者の亀田興毅がチャンピオンの内藤大助に判定で勝ち、ライトフライ級に続く2階級制覇を果たした。平均視聴率は43・1%を記録。

 <10>上村が世界制覇

 フリースタイルスキーの世界選手権で上村愛子(北野建設)がモーグル2種目を制覇。日本選手で初めて世界選手権の頂点に立ち、バンクーバー冬季五輪代表に決まった。

 (次点)トヨタ撤退

 世界的不況の影響を受けて自動車F1シリーズでトヨタがシーズン終了後に撤退を発表し、F1から日本系チームが完全に姿を消した。また三菱自動車もダカール・ラリーへの出場を断念。(共同)