<第14回夏季パラリンピック・ロンドン大会>◇29日◇五輪スタジアム

 障害を克服してスポーツに打ち込む選手の祭典、第14回夏季パラリンピック・ロンドン大会は、「発祥国」英国のロンドン東部の五輪スタジアムで開会式を行い、開幕した。9月9日まで20競技で争う大会は、組織委員会によると164の国と地域から約4300選手が参加して史上最大の規模となった。

 134選手が17競技に挑む日本は開会式で、旗手を務めた競泳男子の木村敬一(21)を先頭にリラックスした様子で行進した。「啓発」をテーマとした式には、病気のため車いすでの生活を続ける英国の宇宙物理学者、スティーブン・ホーキング博士が登場し「いかに人生が困難と思っても、人には必ず成功できるものがある」と呼び掛けた。障害者を含む3000人以上のボランティアがパフォーマンスを繰り広げ、障害者に対する認識の変革を訴えた。

 国際パラリンピック委員会(IPC)のフィリップ・クレーブン会長は、パラリンピックがロンドン郊外の村ストーク・マンデビルにある病院が開いた大会をきっかけに創設されたことを紹介し、選手に「歴史に新たなページを刻もう。あなたたちには世界を変える力がある」と語った。エリザベス女王が開会を宣言した。

 聖火はストーク・マンデビルから580人の走者によって約24時間かけて五輪スタジアムまで運ばれ、五輪と同様に花びらの形をした銅製の器を集めた聖火台にともされた。