20年五輪への夢が絶たれた競技の国内関係者で、最も落胆の色が濃かったのは空手だった。有力とされていた沖縄発祥の武道は三度目の正直とならなかった。全日本連盟の日下修次事務局長は30日、「残念なニュース。競技人口は多く、世界的に裾野も広いが…。レスリングの出入りもあって余波を食らった感じ」と悔しさをにじませた。

 新興とされるスポーツクライミングの関係者は「想定内」「ある程度予想はしていた」と冷静な反応だった。日本山岳協会の尾形好雄専務理事は「ふたを開けると(IOC内の)政治力などがあったのでしょう」と敗因を分析した。

 日本ウエークボード協会の寺田謙太郎理事長は「8候補に選ばれて認知度は上がった。下を向くよりは、前向きに考えていきたい」と話し、ローラースポーツの第一人者、戸取大樹は「(レジャーでなく)スポーツとして競技をPRできたことは重要」と今後の普及に期待した。

 日本武術太極拳連盟の石原泰彦事務局長は「今回は力不足を感じたが、候補に入った経験を生かしたい。遠い将来に見えた五輪が少しずつ近づいてきた」と話した。