<フィギュアスケート:GPシリーズ第6戦・NHK杯>◇第2日◇29日◇大阪・なみはやドーム◇男子フリー

 けがからの再起戦だった羽生結弦(19=ANA)が4位と踏みとどまり、2連覇が懸かるシリーズ上位6選手による12月のファイナル(バルセロナ)に滑り込んだ。

 中国選手と激突して頭や太ももを負傷した第3戦の中国杯からわずか3週間。前日のショートプログラムに続き、フリーでも得意のジャンプにミスが出るたびにスタンドから悲鳴が上がった。転倒しても立ち上がって「オペラ座の怪人」を演じきると、ほぼ満員の会場の観客は立ち上がって拍手を送った。

 本人も周囲も諦めかけたファイナルへの切符が決まると、場内インタビューで「ありがとうございました。すごくびっくりしているし、中国での試合が無駄にならなかったなと思っている」とようやく笑みがこぼれた。

 関係者によると、中国杯から帰国した後の精密検査では各分野の専門医が集まってくれたという。10代最後の大会を終えたソチ冬季五輪王者は「さらにいい演技ができるようにしっかりトレーニングをして立て直したい」と誓った。