<ノルディックスキー:吉田杯ジャンプ大会>◇14日◇北海道名寄市ピヤシリシャンツェ(HS100メートル、K点90メートル)

 女子はソチ五輪代表の伊藤有希(土屋ホーム)が、2回合計240・5点で、エースの高梨沙羅(クラレ)を破り初優勝した。

 1回目に92メートルで首位に立つと2回目も最長不倒となる94・5メートルを飛んだ。今春から両手を下に広げるモモンガのような空中姿勢で飛ぶ所属チームの監督を務める葛西紀明(42)のジャンプを取り入れ進化を続ける。風洞実験でも「浮力が違う」と実感し、葛西も「安定感が出てくればW杯でも上位に入れる」と太鼓判を押す。

 今季のW杯初戦のリレハンメル大会(ノルウェー)は6位。欧州から帰国した9日には、自宅に帰らず新婚の葛西家を訪れ、怜奈夫人の手料理に舌鼓した。「邪魔でしたかね?」といたずらっぽく笑った。今大会も勝ったら「スペシャルスープを作る」と夫人から言われていたが、目標を達成し、満足げだった。

 14年を漢字一文字で「新」と振り返った。「新成人で平昌五輪への新たなシーズン。今後へいいきっかけになった」と意欲的だった。

 男子はソチ五輪の団体銅メダルメンバーの伊東大貴(雪印メグミルク)と、竹内択(北野建設)が合計251・5点で優勝を分け合った。葛西紀明(土屋ホーム)は出場していない。