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クルム伊達シングルス12年ぶりV/テニス

復帰後シングルスで初優勝を飾ったクルム伊達公子はトロフィーを掲げ笑顔
復帰後シングルスで初優勝を飾ったクルム伊達公子はトロフィーを掲げ笑顔

<女子テニス:東京有明国際オープン>◇最終日◇15日◇東京・有明テニスの森公園

 元世界ランク4位で第4シードのクルム伊達公子(37=エステティックTBC)が、現役復帰後4戦目でシングルス優勝を果たした。決勝で大会推薦選手でノーランクの秋田史帆(18=ポッカ)を6-3、6-2で下した。ツアー下部大会とはいえ1回戦から5試合すべてストレート勝ちで、96年8月の東芝クラシック以来12年ぶりのシングルス制覇。下部大会の優勝は89年5月の英国大会以来19年ぶりだった。

 12年ぶりのマッチポイントをクルム伊達は一発で決めた。フォアのアプローチが秋田のコートに突き刺さった。現役復帰後わずか4大会目の優勝に、思わずガッツポーズが飛び出した。「まさか優勝できるとは思わなかった。不思議な気持ち」。さっそく夫ミハエル・クルムにメールで報告した。

 力強いわけでもなく、ミスも出る。しかし、元世界4位の駆け引きはさすが。勝負どころで積極的に仕掛け、18歳からミスを引き出した。「今できることをやるだけ。ボールだけに集中した」。第1セットの3オールから5ゲームを連取して、そのまま突き放した。

 12年前より、球のスピードが増した。当時はなかった反発力のあるラケットと緩いガットが、クルム伊達のプレースタイルにマッチした。持ち味の回転の少ないフラットな球種に、飛ぶラケットとガットは最高の武器になった。

 ただ喜んでばかりもいられない。クルム伊達の優勝は、逆に現役世代が伸びていないことも意味する。「うれしい半面、こっ恥ずかしい」。特に手応えさえも感じない若手のふがいなさには「勝つという執着心をどれだけ持っているか」と手厳しかった。

 昨年11月に父寿一さんを亡くした。父の日の復活Vに「最高のプレゼントができたかな」と言葉を詰まらせた。もっとも、そこでぐっと涙をこらえた気持ちの強さは、12年前と少しも変わっていなかった。【吉松忠弘】

 [2008年6月16日8時48分 紙面から]


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