<bjリーグ:浜松91-82埼玉>◇18日◇浜松アリーナ◇観衆1287人

 浜松・東三河フェニックスが、91-82で埼玉ブロンコスに快勝し、破竹の開幕4連勝を決めた。過去3戦はほとんど活躍できなかったリマー・ウィルソン(24=米国)が、ようやく本領を発揮。今季から先発メンバーに昇格した岡田慎吾(26)も要所で好プレーを連発した。これまで同様、全員の連係にはまだまだ課題を残すものの、bj参入2季目の初優勝に向けて、まずは順調に勝ち星を積み重ね始めた。

 苦しんでも負けない。地力を付けた今季の浜松が、余裕の逆転勝ちで埼玉を連破した。過去3戦、初の異国でのプレーに戸惑っていたウィルソンが、積極的にゴールを量産。どこからでも点を取れるチーム本来の形が見えてきた。「このチームで我慢することを学んだ。プロは勝つことが大切。未完成な部分は、試合を重ねるうちにできていければいい」。ウィルソンが達観したように話した。

 圧倒的強さで東地区を制した昨季の勢いは、まだない。シュートの決定率もリバウンド獲得率も、まだまだもの足りない。それでも今年の11人は、中村和雄ヘッドコーチ(HC=68)の熱血指導に応え、努力を惜しまない。中村HCはこの日の朝8時、愛知・豊川の体育館に前日17日のホーム開幕戦で活躍したナイトとホワイトの両エース以外の選手を集めて猛特訓を課した。「2人に頼らないプレーをしなければ、このチームの成長はないんだ」と同HCは力説した。

 まずは無難に4連勝。だが「このまますんなり行けるほど、bjは甘くない。次も気を引き締めて戦います」。すっかり風格の出てきた岡田が、険しい顔で言い切った。【大石健司】