2020年夏季五輪の共同での招致を目指す広島市の秋葉忠利市長と長崎市の田上富久市長が18日、東京都内で日本体協の森喜朗会長と会談した。日本体協の岡崎助一専務理事によると、森会長は「立候補の意義は認めるが、物事がうまく進んでいくのか検討する必要がある」と伝えた。五輪憲章が認めていない2都市の共催案に対して懸念を示したとみられる。会談後、訪問の趣旨を田上市長は「スポーツ界全体の協力が必要」と説明し、秋葉市長は「柔軟に考えて結論を出すことも必要で、森会長からは課題解決のヒントも頂いた」と話した。

 20年五輪には16年五輪招致に失敗した東京都の石原慎太郎知事が再挑戦の意向を表明した。元首相の森会長は招致の機運が「日本全体として起きるように、立候補の工夫の仕方も必要」との私見も披露したという。両市長は25日に、日本オリンピック委員会(JOC)の竹田恒和会長を訪問し、話し合う。