<高校総体:卓球>◇12日◇宜野湾市立体育館◇女子シングルス決勝

 快挙達成だ!

 卓球女子シングルスで、日本代表の四天王寺(大阪)・石川佳純(3年)が、インターハイ史上初の3連覇を果たした。今大会の注目度No・1で、記録達成への重圧がありながら、世界選手権など大舞台でもまれた実力を発揮。決勝戦では新潟産大付(新潟)の中国人留学生、王舒(3年)を4-1で撃破した。

 石川がインターハイの歴史に偉業を刻んだ。ウイニングショットが決まると、両手を胸の前で握りしめた。「(3連覇は)狙っていましたが、苦しい試合が続くと思っていた。うれしい。ホッとしています」と正直な胸の内を明かした。今年5月の世界選手権団体戦(ロシア)で、日本の銅メダルに貢献。7月のプロツアー・モロッコオープンではシングルス、ダブルスで優勝するなど、日本のエース格に成長。会場には多くのファンが詰めかけ、注目度NO・1だった。

 「負けられない重圧があった」と、周囲からは勝って当然といった目で見られたが、強い精神力ではねのけた。この日は、前日受け身にまわった反省から、強気で臨んだ。決勝戦は第1セットを奪われ、「あせった」という。しかし、世界のトップレベルを相手にしてきた経験が、勝負どころで生きた。気持ちをすぐにリセットし、第2セットから両コーナーを狙うスマッシュやフェイント攻撃で翻弄(ほんろう)。4セットを連取し、危なげない試合運びだった。大嶋雅盛監督は「もともと勝負強いが、世界でもまれてより成長した。(3年生となって)一番勝ちたい時に勝つのは難しい」と、重圧を受けながらの優勝を評価した。

 高校では無敵。進路は未定で今後、両親と監督と相談する。さらなる飛躍が期待される17歳は現在世界ランキング29位で「今年中に20位以内に入りたい」と目標を掲げ、「夢は2012年のロンドン五輪に出ることです」と続けた。世界のトップを目指す石川が高校生最後の祭典を通して、またひと回り大きくなった。【菊川光一】