日本オリンピック委員会(JOC)が28日、尖閣諸島問題で反日感情が高まる中国でのアジア大会(11月12日開幕、広州)に臨む日本代表選手らに向けて、異例の注意喚起を行った。都内で開いた監督会議で、同大会での行動、言動を控えることはもちろん、藤原庸介理事は「反日に関する話は、ブログに書かないようにしてください」とクギを刺した。

 ブログを持つ選手、スタッフが多い時代だからこその注意だ。中国はインターネット規制が厳しく、一説には検閲担当者が約6000人もいると言われる。うっかり政治的な問題を書けば、チェックされ、大問題につながりかねない。

 この日はマニュアルも配り、外務省の担当者が麻薬などの薬物、買春行為への量刑が重いことを説明。日本企業の社員が現地で拘束された一件からか、軍事施設への立ち入り禁止と写真撮影の制限があることも指摘した。外務省の川上文博氏は「競技を離れれば目立つ行動を取らないように。また街中にも目立たないが、軍事施設はあるので注意してください」と注意を促した。

 現時点では広州は落ち着いているといわれている。それでも日本代表の塚原光男総監督は「基本的に選手村と会場、サポートハウスを行き来する以外は出歩かない方がいい。北京五輪の時より厳しくなるでしょう」と外出を極力、控えるよう呼び掛けていた。【広重竜太郎】