<柔道:グランドスラム東京>◇初日◇11日◇東京体育館

 12年ロンドン五輪に新星が現れた。“短髪女子高生”山本杏(16=桐蔭学園)が、初のシニア国際大会で2位に食い込んだ。女子52キロ級の初戦で世界ランク3位のクズキナ(ロシア)を背負い投げの一本勝ちで下して波に乗り、決勝で世界王者西田優香(了徳寺学園職)に敗れたが、快進撃を演じた。来年4月以降は57キロ級転向も公表した。女子48キロ級は福見友子(了徳寺学園職)が優勝するなど、日本勢がこの日行われた全4階級を制した。

 山本の快進撃は、1回戦でクズキナを得意の足技から背負い投げで一本勝ちして始まった。「世界ランク3位の人とやるんでテンションがおかしかった」と興奮していたというが、試合運びは「大人顔負け」。決勝でも敗れはしたが、ポイントを先行していた西田を防戦一方に追い込んだ。

 会見でもびっくり発言だ。「来年から57キロに上げます」と宣言した。通常は「ガツガツ食べた状態で56、57キロ。減量して、食べて、また減量してで疲れた」。細かい足技とスピード勝負の柔道は「57キロ級にはいないので。筋肉つけて、ムキムキで出たら強いかなと思う」と転向理由を明かした。

 自称「杏カット」の短い髪形がトレードマークで、ユニークな将来像も思い描く。64年東京五輪中量級金メダル、体重無差別の69年全日本を制した岡野功氏が「神様」という。「私の最終目標は、岡野先生のように小さくても全日本女子選手権に勝つこと。五輪よりすごいことだと思う」と言ってのけた。

 12年ロンドン五輪へ新たな逸材が現れた。フィギュアの村上、スピードスケートの高木と同学年。「一緒に頑張っていきたい」と、他競技の選手も励みに、来年も突っ走りそうだ。【赤坂厚】