<テニス:全豪オープン>◇13日目◇29日◇オーストラリア、メルボルン・ナショナルテニスセンター◇女子シングルス決勝

 全米2連覇中の世界3位キム・クライシュテルス(27=ベルギー)が、全豪で初優勝した。同11位でアジア選手初の4大大会シングルス優勝を狙った李娜(28=中国)に3-6、6-3、6-3で逆転勝ち。4大大会は昨年の全米に続き通算4勝目となった。クライシュテルスは31日に発表の最新世界ランクで2位に、李娜は中国最高の7位になる予定。

 母は強かった。クライシュテルスは持ち前の豪打と粘りで、李娜の夢を打ち砕いた。「本当に素晴らしい決勝だった。最高の優勝」。李娜のフォアがアウトになると、勝利の瞬間、クライシュテルスは両手を突き上げ涙を見せた。

 第1セットを奪われても動じなかった。過去7度の4大大会決勝で3度優勝。経験では初の4大大会決勝となる李娜をはるかに上回っていた。焦らず、じわじわと李娜のミスを誘い、チャンスに得意のフォアをたたき込んで逆転につなげた。

 07年に1度は引退した。08年にプロバスケット選手のリンチと結婚し、長女を出産。09年に現役に復帰した。母となってから2度の全米優勝で、ついた愛称が「スーパーマミー」。しかし、決勝前には今年がフル参戦する最後の年になると明かしていた。

 03年に元世界1位ヒューイット(オーストラリア)と婚約(後に解消)したこともあり、オーストラリアでは絶大なる人気を誇る。初の全豪タイトルで「これで本当にオージー・キムって呼ばれるようになる」とファンのサポートに感謝した。