ラグビー日本代表が、なでしこジャパンを目指す。日本ラグビー協会は26日、日本代表の次期ヘッドコーチに現サントリー監督のエディー・ジョーンズ氏(51)の就任を発表。来年4月1日から4年契約する同氏は都内での会見で、目指すスタイルを「女子サッカー日本代表のイメージ」と表現した。

 「日本人に合った日本スタイルの確立」を掲げた同氏が例としてあげたのが、なでしこだった。女子W杯決勝の米国戦を「フィジカルで劣っても、チームワークで勝った」とし「個々の強みが全体の強みになるように」と理想のチーム像を口にした。「(日本に敗れた)スウェーデンの選手が『日本は1人が動くと全員が動く』と言っていた。そのイメージ」と話した。

 なでしこジャパンも、体格的に劣る選手が連動し、速くボールを動かす「日本スタイル」。ジョーンズ氏も、それを目指す。「ボールを動かすラグビーがしたい。30~40人を鍛え、日本人が誇れる、応援してくれるチームを」と言った。

 目標は15年W杯。「そこまでに世界のトップ10入りする(過去最高は12位)。W杯ではすべての試合で勝ちに行く。相手がニュージーランドでも」。また「日本代表は日本人のチーム。外国人は3人程度」とも言った。エディー・ジャパンの始動は来年4月、同28日のアジア5カ国対抗カザフスタン戦が初戦になる。【荻島弘一】

 ◆エディー・ジョーンズ

 1960年1月30日、オーストラリア・タスマニア島でオーストラリア人の父と日本人の母の間に生まれる。現役時代はフッカーとして活躍し92年引退。96年に東海大コーチとして指導者のキャリアをスタート。01年オーストラリア代表監督に就任し03年W杯準優勝。07年W杯では南アフリカ代表技術顧問として優勝に貢献。09年サントリーGMに就任し監督兼任となった10年に日本選手権優勝。