<柔道:全日本選抜体重別選手権>◇最終日◇13日◇福岡国際センター

 女子48キロ級の最有力だった世界選手権2連覇の浅見八瑠奈(24)が初戦で敗れた。

 浅見は、ただぼうぜんと立ち尽くした。高校生の岡本理帆(18=静岡・藤枝順心高)相手に組み手争いで押され、何度も技を受けた。延長残り46秒では岡本の内股に体も回った。場外で助かり、辛くも計8分間を終えたが、旗は無情にも1-2。世界女王がまさかの初戦で敗れ「旗は願うしかなかった。世界選手権の2連覇も、何も意味がなくなってしまった」とうなだれた。

 五輪の重圧は想像以上だった。「1週間前から寝られなくなった。寝付けないし、何度も起きる」。技にキレがなく、反対に掛けられるため前にも出られなかった。世界選手権2連覇で、五輪選考ではライバルの福見を上回っていた。だが1日で立場は逆転。「こんなに情けないと思った日はない」。最後の最後で、五輪の夢がこぼれ落ちた。