<競泳:ジャパンオープン>◇第2日◇25日◇相模原市立総合水泳場

 男子200メートル背泳ぎで入江陵介(23=イトマン東進)が1分55秒39で、第1日の100メートルに続き優勝し、2冠に輝いた。100メートルで萩野公介(18)に敗れた先月の日本選手権後、88年ソウル五輪で鈴木大地を金メダルに導いた日本代表の鈴木陽二コーチ(63)からバサロの指導を受けた。2冠達成で「大地流バサロ」に手応えを得た。

 水を切り裂いた。男子200メートル背泳ぎで入江は、新たなバサロ泳法で、水中をぐんぐんと突き進んだ。萩野との競り合いを制した4月の日本選手権を0秒11上回る1分55秒39で優勝。「(日本選手権より)疲労があってもタイムが上がった」と新バサロに好感触をつかんだ。

 先月の日本選手権100メートルで萩野に敗れた。高校生で日本代表に選ばれてから7年。最近は国内では敵なしだっただけに、ショックは大きかった。日本選手権後は、鈴木大地らを育てた日本代表の鈴木コーチに、バサロの指導を受けた。

 もともと泳ぎは世界一の定評がある。しかし、バサロは苦手で、手足が長く、パワーのある外国人選手とは差があった。そこがロンドン五輪で金メダルを逃した要因の1つだった。鈴木コーチのもとでは、まずは基本の蹴伸びから取り組んだ。まっすぐな姿勢を意識し、水の抵抗を減らした。足が開き気味だったキックも足を閉じることで、威力も増加させた。

 2冠達成も、自身のロンドン五輪の銀メダルタイムより1秒61も遅い。「タイム自体は納得できないし、これでは世界と戦えない」と満足感はない。7月の世界選手権(バルセロナ)に向け「バサロを速く強く打てるようにしないと。まだ練習段階なんで」と課題を口にする。3年後の五輪の目標は、まだ手にしていない金メダル。世界の頂点へ、まずはバサロを徹底強化する。【田口潤】