大麻騒動、八百長疑惑の裁判などで揺れた大相撲は23日、福岡国際センターで行われている1年納めの九州場所の千秋楽を迎えた。

 この日は今場所最高の7497人を動員し、白鵬と安馬の優勝決定戦には大声援が送られた。だが、場所を通しての客足は低調で、今場所の満員御礼は4度だけ。前年の3度を上回ったが、平日は収容人員の半分に満たない日もあった。

 今場所、升席を改良するなど、集客に力を入れた担当部長の出羽海理事(元関脇鷲羽山)は「残念ながら観客動員は少なかった。新しいヒーローが出れば変わると思うが…」と渋い表情だった。

 安馬の大関昇進が確実となり、ようやく明るい話題が出てきた角界。大麻騒動で辞任した北の湖前理事長(元横綱)の後任として、9月に就任した日本相撲協会の武蔵川理事長(元横綱三重ノ海)は「今場所は相撲内容が良かった。来年こそはいい年になってもらいたい」と願いを込めた。