前頭豪風(31=尾車)が「とばっちり」を受けた。10日は故郷秋田で夏巡業が行われ、横綱白鵬の胸を借りた。三番げいこ7番は、すべて完敗。会場から「白鵬、力抜け!」の声が飛んでいたが、その後は約3分間のぶつかりげいこまであった。

 会場の体育館は冷房がなく熱気ムンムン。口の中を切り、鼻血も出し「熱中症の『ね』の字が頭をよぎりました。途中、目から空気が出た気がした」と豪風。けいこ場に現れた時は白鵬以上の声援を受けたが、その直後に白鵬から「よろしく」と言われたという。「最初は肩で風切っていたけど、横綱の『よろしく』で…。でも、愛を感じました」。

 白鵬は夏巡業で、野球賭博に関与した「謹慎明け力士」に“かわいがり”を行ってきた。それが、突然の郷土力士指名。さらに11日の巡業開催地・北秋田市が豪風の出身地と知った白鵬は「1日間違えた。明日らしいじゃん。2日続けてでいいでしょう」。息も絶え絶えになるけいこは、連日になりそうだ。