元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏から現金約1億円をだまし取ったとして、警視庁捜査2課は30日、詐欺の疑いで神奈川県逗子市、会社役員菊地武雄容疑者(77)と、埼玉県所沢市の、会社役員熊田隆春容疑者(63)を逮捕した。

 逮捕容疑は2009年4月上旬ごろ、当時、現役だったダグワドルジ氏に対し「フィリピンに持っている金塊を溶かして現金化する。保管料を延滞しているので1億円を貸してほしい」とうそを言い、2回にわたり現金計約1億円をだまし取った疑い。

 捜査2課によると、菊地容疑者はダグワドルジ氏に「金塊が現金化できたら、モンゴルの開発のために1兆円を使いたい」などと持ち掛け、信用させていた。

 ダグワドルジ氏は知人の日本人女性を通じて菊地容疑者と知り合った。その後、ダグワドルジ氏が返済を求め交渉していたが破談となり、警視庁に告訴した。

 菊地容疑者らが役員を務めていた会社に実体はなく、逮捕時には「ブローカー」を名乗ったという。同課が現金の使途などを調べている。