朝青龍が危ない!

 来年初場所(1月11日初日、両国国技館)に進退をかける横綱朝青龍(28=高砂)について、大島巡業部長(元大関旭国)が19日、けいこのペースが上がらない状況を踏まえ「このままでは危ない」との見解を示した。この日の沖縄・石垣島での冬巡業八重山場所初日でも、朝青龍がけいこ場にいたのはわずか12分で申し合いにも参加しなかった。巡業は20日に終了。帰京後のけいこが、進退を決めるカギとなりそうだ。

 夕刻でも気温20度を超える石垣島。朝青龍が、ナイター開催の八重山場所のけいこ場に登場したのは午後5時8分だった。すでに幕内力士の申し合いは終了し、白鵬が栃煌山を相手にぶつかりげいこを始めていた。「おらーっ、立て」。土俵にはいつくばる栃煌山に気合を入れたが、土俵下であくびを連発。同5時20分には、土俵に背を向けて歩き始めた。関取衆に胸を出すこともなく、わずか12分で「顔見せ」を終了した。

 大島巡業部長は「まあ、顔を見せてくれたら」と寛大だったが、朝青龍の現状には厳しい見方を示した。

 大島巡業部長

 状態は少しはよくなっているけど、まだ65%ぐらいだね。毎日の(けいこの)積み重ねがないし、厳しいけいこをしていない。このままじゃ、初場所は危ないね~。東京に帰って、どれだけペースを上げられるかだけど、きついんじゃないかな。あとは自分の気持ちですよ。

 確かに朝青龍は、この巡業中もマイペースを貫いた。日によっては土俵で申し合いをするが、番数は10番程度で、けいこ場に姿を見せない日もあった。名古屋場所から3場所連続休場の原因となった左ひじについては「よくなってきた」と言うが、「無理はしない。状態は50%だよ」と自身でも調整が遅れていることは分かっている。体には張りも見られない。

 同巡業は20日に終了し、力士は帰京するが、朝青龍は「ひじの治療のため」福岡に向かうという。けいこ再開は番付発表後の25日。高砂部屋の年内のけいこは27日に終了し、来年1月3日に再開する。初日まで残された時間は、あまりに少ない。【柳田通斉】