<大相撲初場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

 西十両筆頭の磋牙司(28=入間川)の連勝が止まった。37歳土佐ノ海にもろ手突きで踏み込み、押しといなしの攻防があったが、とっさに引いたのが失敗。経験豊富な37歳は足がもつれたのを見逃さず、すかさずはたき込まれた。「一番ダメな相撲ですね。勝ちたい気持ち、欲っすよ」。7日目以来の4敗目。いらだちを隠せなかったのは、勝てなかったからではない。普段から言い続ける「気迫のある相撲」でなく、安易に引いて勝とうとしたことだった。「負けたからじゃなく、これで勝ってもダメなんですよね」と自分を責め続けた。

 勝ち越せば春場所(3月14日初日、大阪府立体育会館)で念願の新入幕が見えてくる。「15日間あるから。人間だから欲も出る。終盤戦も結果はあとでついてくる。攻める気持ちでやっていきます」。残り5日間。無欲のまま、全力で戦い続ける。