東京都の石原慎太郎知事(77)が29日の定例会見で、泥酔暴行騒動の渦中にある横綱朝青龍(29=高砂)を“あんなもん”と呼んでこき下ろした。「あんなもん、日本の相撲の横綱なんかじゃない。(双葉山が69連勝の後に)いまだ木鶏(もっけい)たり得ずと言った。(朝青龍は)本物のニワトリみたいにばたばたしてばかり。横綱とは、何事にも動じない木鶏を目指すもんでしょう」と度重なる騒動にうんざりといった表情で語った。

 石原知事の怒りの矛先は、朝青龍を“放任”した横綱審議委員会にも向けられた。「今まで注文を付けたのは内館(牧子)さん1人だけだったでしょう。あんなのおかしいよ」と批判。その上で「今まで2回、横審委員になってくれと頼まれたんだが断った。今からでもなろうかな。なれるんだったら」と冗談めかして語った。

 石原知事の任期は1年程度。退任後の作家兼横審委員就任について報道陣が〝本気度〟を確かめると、途端に「ノーサンキュー」とトーンダウン。最後は「奥ゆかしさ、美しさがない。強いかどうか知らんが、様式美が分かっていない横綱なんてダメですな」と、朝青龍批判で締めくくった。【荒牧公哉】