角界の相次ぐ不祥事に「大口スポンサー」が揺れている。最多の懸賞を出している永谷園が「撤退」を想定していることが16日、分かった。同社広報部は「名古屋場所前まで事態を見守りますが、見直すかもしれません。いろいろな選択肢を考えております」と説明。同社は00年夏場所から「人気にかげりが出てきた相撲を応援しよう」と懸賞を提供。最近は毎場所200本以上出し、全体の25%近くを占めている。人気力士の高見盛をCMに起用。お茶漬け袋がデザインの懸賞旗やのぼりは今や名物だ。

 しかし、その「応援」で出した懸賞が、野球賭博の資金になっていた可能性もある。同社は「今回は政府もお怒りで、社会的な意味も大きい。ここ数年のことも一連としてとられております」。暴行や薬物、黒い交際疑惑…。問題がわいてくる相撲界を応援していては、企業のイメージダウンは避けられない。同社は1度だけ、大麻騒動直後の08年秋場所で懸賞を「半減」させたことがあるが、今回は「それ以上も考えている」という緊急事態。「撤退」が現実となれば協会には約1200万円減収の大打撃となる。