日本相撲協会に新設された再発防止委員会(仮称)の芝田山親方(48=元横綱大乃国)が1日、八百長根絶の3カ条を掲げた。弟子を連れて都内の放駒部屋へ出稽古後、9日に第1回会合を開く同委員会に提言する私案を披露。(1)取組の当日発表(2)本場所会場への携帯電話持ち込み禁止(3)親方衆による支度部屋を監視する委員会の設置。八百長を不可能にする組織づくりを目指していく。

 甘い物好きとして「スイーツ親方」の愛称で親しまれる芝田山親方は「本業ではスイートじゃない。辛口だよ」と切り出した。この日は師匠の放駒理事長(元大関魁傑)を訪ね力士を厳しく指導。さらに2月26日に発表された親方衆5人、外部3人による再発防止委の一員として、甘えを許さない辛口私案を掲げた。

 (1)取組当日発表

 現在の前日発表は協会のルールブック「寄付行為」に記載され、変更には理事会の承認が必要だ。だが「当日に発表することで、八百長の打ち合わせをできないようにする」と改正を目指す。

 (2)携帯電話持ち込み禁止

 「相撲を取りに来る場に携帯電話は必要ない。よほど緊急の時は、支度部屋にいる若者頭を通じて伝えればいい。会場への電波をカットするのも1つの手」。八百長問題が携帯電話のメールから発覚したように、打ち合わせに利用される可能性が高い。会場そのものへの持ち込みを禁止し、さらに電波で使用不能にするなど万全を期す。

 (3)支度部屋監視委員会

 中村親方(元関脇富士桜)が、支度部屋の見回り役を現在の若者頭から、親方衆に変更して強化する私案を披露した。芝田山親方はさらに深く追求する。「それでは足りないと思う。監視委員会をつくり、力士は東西の支度部屋を行き来できないように徹底する。一般の方の立ち入り禁止やビデオの設置も検討しないと」。

 力士の支度部屋の往来禁止は決まり事として存在するが、明文化されていない。また、一般人の立ち入り禁止も、現実的には関取を訪ねて関係者が支度部屋に入ることもあり、今後は組織として長時間の監視を目指す。

 「やるからには徹底的にやらないといけない」。疑惑の芽を摘み、不正の温床から見直す強い決意で、八百長撲滅に挑む。