<大相撲名古屋場所>◇6日目◇13日◇愛知県体育館

 大関琴欧洲(29=佐渡ケ嶽)が、因縁の栃煌山戦で勝利をおさめた。踏み込み、得意の右差し。左上手を取って、腰を落としながら寄り切った。先場所の千秋楽は、右足故障で休場。のちに骨折が判明する重傷だったが、栃煌山は優勝がかかっていたため、批判された。意識せざるを得ない一番だったが「誰に対しても一緒」と無関心を口にした。不戦敗を含め、6連敗中だった苦手を下して、大関の意地をみせた。

 右足は万全でなく、本場所前の稽古も十分でない。敗れれば、批判が再燃しかねない状況で、万全の寄り。支度部屋では患部をアイシングし、付け人に腰をもんでもらうなど、後半戦へ向けての準備も抜かりない。取り囲んだ報道陣に「把瑠都勝った?

 日馬富士は?」と逆取材するなど、無敗の上位への関心をみせた。痛みが残る爆弾を抱えながらの出場だったが、優勝争いに食い下がってきた。