日刊スポーツ評論家の浜名千広氏(49)が、ソフトバンクのCS突破のポイントを挙げる。第2回は投手編。

浜名氏は、短期決戦の「開幕投手」に指名されたキューバ左腕、アリエル・ミランダ投手(29)がカギを握ると指摘。その上でファーストステージは先発、ファイナルステージは中継ぎの踏ん張りが必要だと説いた。

ミランダの武器は緩急だ。打者目線からすれば、直球の腕の振りでチェンジアップ、フォークと落ちる球がある。初対戦だと、どんな投手でも多少は不慣れな面があるが、慣れれば投球の軌道が分かって打つことができるようになる。ミランダの場合は、この「不慣れ」がなかなか解消できない。

今季、8試合に先発し6勝1敗。日本ハムにも西武にも勝ち星を挙げている。メットライフドーム初登板ではマウンドの傾斜に慣れてないのか四球を乱発して負け投手になったが、その後の同球場で登板した時は修正し勝ち星をマークした。日本ハム、西武ともにミランダをまだ「攻略」できていない。緩急に加えて、長身から投げ降ろす直球と変化球の角度もある。まさに相手打線が「嫌がる」投手なのだ。

もちろん、実績では千賀が上だろう。しかし両チームは千賀との対戦回数も多く、ミランダの方が嫌なはずだ。ローテーション的にも先頭を切って登板すれば、日本ハムにも西武にも大事なところで登板できる。

ファーストステージは「先発」、ファイナルステージは「中継ぎ」がカギを握ると思う。日本ハムとは「守り合い」が予想され、先制点が大事になる。相手に与えないことが勝利への近道だけに先発投手が踏ん張らないといけない。

西武とは「攻め合い」が予想される。先発投手が早い回に降板するケースも想定され、長いイニング中継ぎができる投手が必要となる。武田、石川当たりが大活躍する展開となるとホークスペースになる。「短期決戦仕様」の投手陣が整備できれば日本シリーズへの進出も可能性が高くなる。(おわり)(日刊スポーツ評論家)