先発が試合を作って終盤勝負に持ち込めば、阪神のペースで戦えることがあらためて確認できた試合だった。

勝負は7回に決したが、その差は巨人と阪神のリリーフ陣の安定感の差だ。矢野監督が勝ち越し直後の7回裏に、前倒しで好調のジョンソンを投入した機を逃さない采配も見事だった。ライバル巨人に7連敗はできない。まだ打席が回る可能性のある福留への7回の代走もそうだが、ベンチとチーム全体から勝利への執念を感じた試合だった。

先発の青柳は1、2回こそ不安定だったが、しっかり要所を抑えた。中でも好調の坂本勇を封じたことが一番の勝因だろう。初回無死三塁は三直、2回1死二、三塁は空振り三振。いずれも打たれたら一方的な展開になっていた場面だが、坂本勇も全くタイミングが合っていなかった。横手から腕を振った真っすぐと外角低めのカーブのコンビネーションが絶妙。青柳は自信を持って投げ、坂本勇からは嫌がっている雰囲気が伝わってきた。相性が最終的に勝負を分ける形にもなった。

15日先発の岩田にも粘りの投球を期待したい。菅野との厳しい投げ合いで、この日以上に多くの得点は望めないだろう。だが1点ビハインドでも、終盤勝負に持ち込めばほぼ互角だ。2連勝で甲子園に帰りたい。(日刊スポーツ評論家)

巨人対阪神 5回裏巨人無死、青柳(左)は坂本勇を投ゴロに仕留める(撮影・山崎安昭)
巨人対阪神 5回裏巨人無死、青柳(左)は坂本勇を投ゴロに仕留める(撮影・山崎安昭)