広島の6番メヒアが2-0の1回に3号3ランを放った。1ストライクからの2球目の内角スライダーを捉え、左翼スタンド後方の防球ネットを揺らした。5点差に広げる貴重な1発。一気に流れを引き寄せた。

長距離砲メヒアを下位に置く意味は大きい。相手投手はクリーンアップの後に、4番を打ってもおかしくない打者を迎える。メヒアの役割は、相手バッテリーに怖さを与え続けること。粘って四球を選んだり、右打ちをするのもいいが、まずはしっかり振り切ることが大事。「当たったら怖い打者」であり続けることがポイントだ。この日の豪快なスイングには、大きな魅力を感じた。

メヒアは、危機感がいい形で結果につながっているのだろう。広島は4つの外国人枠を投手3、野手1に振り分けていたが、ここにきて投手2、野手2に変更した。だから、打てなければ落とされる、枠を減らされるという思いがあるはず。首脳陣はそういう心理をわかった上で、うまく起用している。

最後までメヒアを使い続けることはないだろうが、こういう選手の力を引き出し、戦力に組み込むことが4連覇への近道になる。(日刊スポーツ評論家)

広島対阪神 1回裏広島1死一、二塁、左越え3点本塁打を放つメヒア(撮影・清水貴仁)
広島対阪神 1回裏広島1死一、二塁、左越え3点本塁打を放つメヒア(撮影・清水貴仁)