巨人は優勝経験が豊富なベテランの嗅覚が抜群だった。2点を追う5回。先頭の小林が安打で出塁し、菅野が送る。初めて、きれいな形でチャンスをつくり、3巡目が勝負どころと読んだはずだ。亀井の反撃の適時打、坂本勇の逆転2ランは前打席と明らかに違って集中力が高まり、技術を結集させて結果を出した。

だからこそ、若手のスキが目立った。6回無死二塁。捕手の小林なら菅野の状態を見て、次の5点目の持つ意味を感じられるはずだ。犠打を2球失敗したが、まだ取り返せる状況。外寄りのフォークにバットを合わせて右打ちを仕掛けたが「何としても決めたい」という思いがあるならば、もっと力感のあるスイングをしてほしい。最後も沈む球に我慢できず、バットのヘッドが早く返ってしまって遊ゴロ。進塁打の意識はあっただろうが、意識がより強ければ、球をギリギリまで引きつけて、極端に言えば捕手のミットをたたくぐらいのスイングでもおかしくない。

27日の初戦でも2回無死一、二塁で犠打が決まり、二、三塁のチャンスで若林が初球の内角直球に浅い右飛を打ち上げた。初球攻撃は間違っていない。だが初球だからこそ可能な、内角に絞った腹をくくった一振りには感じられなかった。

優勝に近づいているが、ポストシーズンでも対戦する可能性の高い広島、DeNAには対戦成績で負け越している。短期決戦になれば1つのミスが響いてくる。同じミスをするにしても、周りが仕方がないと思えるプレーなら、6回の拙攻直後に出た亀井の2ランのようなフォローがもっと生まれやすくなる。(日刊スポーツ評論家)