阪神は北條の左越え2ランで接戦を制した。裏を返せば、リリーフ陣が苦しく、思うような継投ができなかった今シーズンの広島を象徴していた。

広島先発のジョンソンにもいえることだが、投手は味方打線が援護点どころかチャンスさえ作れないと、徐々にプレッシャーの度合いが増していくもの。2点リードされていた阪神は、ジョンソンが2つの暴投を犯したように、その心理に付け入る形で、結果的に同点に追いつくことができたというわけだ。

阪神が6回と8回に西をそのまま打席に送ったのは、何とか二桁勝たせたいという配慮だろう。その8回は西のバント失敗直後に北條の1発だから、広島にはダメージが大きかった。

阪神は今季の広島戦を勝ち越したが、巨人には大きく負け越した。ここに対抗するには、走攻守のすべてにレベルを上げていく必要がある。今シーズンはリーグ最少の得点力を投手力でカバーしてきた。またそれを補うためには、特にミスをできるだけ少なくしていきたい。