阪神が優勝するには、巨人に勝ち越すことが絶対条件といえる。まだベストメンバーではないオープン戦とはいえ、ライバル相手となれば、より強い意識をもって戦うべきと思ってみていた。

全体的にまだ迫力が伝わってこないのは、なかなか「4番ボーア」の調子が上昇してこないからだろう。ネット裏からボーアをみながら思い出したのは、1976年(昭51)の外野手、マイク・ラインバックだ。

阪神監督に就いた2年目に来日したラインバックは、開幕までずっと打てなかった。わたしの記憶でも、ショートの頭を越えるのがやっとのバッティングで、ちょっと不安になったのを覚えている。

しかし、あれだけ打てなかった新外国人は、当時打撃コーチだった、ヤマさん(山内一弘氏)による熱心なマンツーマン指導によって目覚めた。1年目は22本塁打を放って結果を残した。

そのうち打ち出すと無責任なことは言いたくないが、わたしの経験からも劇変する外国人はいくらでもいた。矢野監督も外国人の起用法に頭を悩ませているに違いないが、ボーアに調子を上げてもらうしかない。

ボーアに長打が乏しいところ、8回に二塁打を放ったのは新人の井上だ。これが内野手だったら…と勝手に思ったものだが、左肘の使い方がうまく、いい打ち方をした。未完の大器の一打に、少しだけホッとした。