日本ハム上沢は1年間のブランクがあり、本人も周囲も心配があったと思うが、すべてのボールに“らしさ”があった。彼の特徴は空振りの奪える真っすぐと、ストレートと同じ軌道から落ちるフォークボール。精度についてはこれから上げていかなければいけないが、しっかりと特徴を出して投げられていた。まずは安心した。

50球を越えたあたりで、球威やキレがなくなった。これは1軍登板を重ねて球数をこなし、耐性をつけていくしかない。次回は80~100球は投げてほしいし、チームは投げさせなければいけない。

また投手というのはどうしても、走者を背負うと力が入るもの。この日の上沢もそういった状況でボールのブレがあった。それもここからの課題。とはいえ、復帰登板としては素晴らしかったと思う。

6連戦初戦となる重要な火曜日を託された。1イニングに大量失点して試合を壊すような投手ではなく、チームにとってはカード頭を任せるのに最適な投手が帰ってきた。これは大きなプラス。開幕2カードを終えた時点で4勝5敗の4位。ここから上位へ食い込んでいくための、駒がそろった。(日刊スポーツ評論家、侍ジャパン投手コーチ)