中日の今後の目標は1点に絞られた。現実的に優勝を口にするのはおこがましい。7年続けてBクラスに低迷してきた以上、Aクラスあるのみだ。それも借金ありでのギリギリ3位では意味がない。勝率5割以上の2位を目標に、Aクラスをつかみ取って欲しい。

残り試合が40を切り、ようやく投打ともに形が見えてきた。もともと投手陣は他球団もうらやむ陣容だ。先発、中継ぎ、抑えと安定している。打線もここにきて打順を固定することで少ないチャンスに得点できるケースが増えた。先行、逃げ切りの勝ちパターンができ、8年ぶりのAクラスは完全に射程圏にとらえた。

セ・リーグはクライマックスシリーズのない120試合。優勝以外は同じと言ってしまえばそれまでだが、中日の場合は違う。たとえ巨人の優勝が決定しても消化試合はない。若手選手に経験を積ませるための切り替えなども競争原理の名の元で判断すべきだ。

これと決めた選手は徹底して起用を続け、結果を出せなければ見切りをつける。そして次点候補にチャンスを与える。長期低迷から脱出し、優勝を狙えるチームに生まれ変わるための最善手は能力順の固定起用しかない。その姿勢と方針をチーム内に浸透させ、Aクラスをつかめるかどうか。大事な終盤戦となる。