巨人菅野智之投手(30)が、6回4安打1失点で開幕投手からの12連勝。球団では38年春のスタルヒンを超え、リーグ新記録を達成した。04年、球界再編問題の真っただ中、近鉄岩隈(現巨人)の12連勝に並んだ。

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巨人菅野のマウンドを見ながら、近鉄で指揮をとっていた04年に開幕12連勝した岩隈を思い返していた。この2人の共通項は、投球リズムの良さにある。

当時の岩隈は21試合(158回2/3)に先発し、与四球が30個の少なさだった。連勝を続けるには打線とのかみ合わせが必要だが、このリズムの良さが守りの時間を短くし、攻撃に転じることができた。

高校出の5年目のシーズンで、まだ細身の右腕だったが、ボールのキレに加えて、制球力にたけていたのは強みだった。ベテラン捕手の古久保が配球を教えたことも、岩隈の成長を後押しした。

監督としても、イニング、球数、失点などを含めて、どこまで交代機を我慢できるかもポイントの1つだった。その点、「DH」がないセ・リーグで連勝を伸ばすのは至難だ。そこに菅野12連勝の価値がある。(日刊スポーツ評論家)

04年5月、ロッテ戦に勝利し喜び合う近鉄梨田監督(左)と岩隈
04年5月、ロッテ戦に勝利し喜び合う近鉄梨田監督(左)と岩隈