阪神が終盤に猛追を見せるも、前半戦の最終試合は惜敗となった。

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阪神は前半戦の首位をキープしたが、リーグ戦再開後は9勝14敗1分けで下降線を描いた。最下位のDeNAには直接対決で8勝7敗まで追い上げられた。

吉田 カード初戦の劇的な勝利が生きませんでしたな。でも前半戦は阪神が“主役”で、佐藤輝によってチームが変わった。その相乗効果が勢いになった。他球団と比べて、マルテ、サンズ、ガンケルらの助っ人が機能した。だがここにきて投打とも勝ちパターンが崩れた。前半戦のもっとも大事な一戦に、そのマルテが「3番」のスタメンから外れたのは痛かった。8回に代打で出てきて代走植田でしたが、ひょっとしたら9回にも打順が回ってくるところなのに…と思いながら見ていました。

前日は坂本、この日は同じサウスポーの今永にいずれも7回を投げ切られた。

吉田 結局は今永の速い球を仕留めることができなかった。マルテに代わってサンズ、佐藤輝らが3番に起用されるならまだ分かるが、この大事な一戦に出場機会の少ない陽川に結果を求めるのは難しかった。

“虎を変えた男”の佐藤輝も3三振で、前半戦は計121三振になった。

吉田 ルーキーとしては十分な働きです。でも、打率が高いときは三振数も多いと思わなかったが、アベレージが下がってくると三振数は減らしたほうがいい。ここまでの経験を生かして、いかにボール球を振らず三振を減らしていくことも課題で、それがひいてはチーム、またプロでメシを食っていく自分のためになっていく。中野もよくやっているし、打つほうは「2番」で起用すべきだ。後半戦はオーダーを固定できるかどうか…。後半戦スタートから20試合が勝負です。矢野監督の手腕にかかってくる。【取材・構成=寺尾博和編集委員】