先発ローテ入りを目指すソフトバンク大竹耕太郎投手(26)のシート打撃登板で「意地の1球」を見せてもらった。プロ5年目の今季は自主トレから体を鍛え、体重も10キロほど増やしビルドアップしたと聞いた。今季に懸ける思いはキャンプ前から感じていた。

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5人目の対戦となった新人正木との対決だった。カウント2-2から5球目はインコースへの直球。球場のスピードガン表示は球速138キロだったが、正木に手を出させない力と強さがあった。きっちり見逃し三振に仕留めた。伏線があった。第1クール最終日の3日、フリー打撃に登板した大竹耕は正木と対戦。内角直球を左中間芝生席へ“プロ1号”を運ばれていた。4日前の出来事は脳裏にあったはず。大竹耕は絶対に意識していたと思う。だからこそ、追い込んでからあえて同じコースに投げたのだろう。右打者への力強い内角球は大竹耕のテーマでもあり、しっかり投げ込めた投球は印象に残った。次打者の新人野村勇にもインコースへの直球で三ゴロに仕留めていた。三森、川瀬、中村晃の左打者3人にヒットを許したのは反省点だろうが、実戦登板が増える中でしっかり調整してもらいたい。

ホークスの先発左腕はベテラン和田に大関、笠谷らとローテ入りを争うことになる。そんな大竹耕にとってこの日の1球は自信になったのではないだろうか。登板後はいい表情をしていた。昨年は2試合の登板にとどまり勝ち星も手にすることはできなかった。5年目サウスポーの覚醒を期待したい。(日刊スポーツ評論家)