オープン戦も終盤。今試合は開幕投手が決まっている巨人・菅野と、プロ入り3年目を迎える佐々木朗が先発した。まだ打者がスピードに慣れていない時期でもあり、投手戦を期待したが、菅野が5回で4失点。佐々木朗が4回2/3で5失点だった。それでも、両投手の投球内容は正反対と言えるほど違っていた。

佐々木朗は、とてつもないスケールの大きさを感じさせた。2回の1失点はエラーが絡んだもので、5回の4失点はスタミナ切れだった。

課題点は山積み。まず走者を出してからの投球テンポが同じになる。打者がきりきり舞いするようなスピードがあるのに、投げるリズムが一緒だからタイミングが取りやすくなる。5回に浴びた満塁弾など、盗塁の心配がないのだから、もっと大胆にゆったりと投げたり、クイックを交えて投げてよかった。

おそらくクイックが苦手なのだろう。佐々木朗の投球フォームの欠点は上半身が突っ込んでしまうところだったが、今季は大幅に改善されている。昨年までは腕を思い切って振ろうとすると、どうしても引っかけてワンバウンドになりそうな投げ方だったが、そういう感じはしなくなった。しかし投球フォームを小さくして投げるクイックは、下半身を大きく使って投げられない。そのため上半身が突っ込みやすくなる。走者を出すと、そのあたりに余裕がなくなり、リズムが単調になるのだろう。

試合では首を振って打者に集中していても、プレートを外したり、勝負センスは持っている。投球フォームを変えられなくても、ボールを長くもったりするだけでいい。160キロの速球があれば、それだけでも打者はタイミングを取りにくくなる。付け加えるなら、テークバックで力を抜いて投げられるようになるだけでも、とてつもない投手になれる予感がある。

それに比べ、菅野は心配になった。テークバックで早くトップを作ろうしているのはいいが、体が横を向いてスライドするときに胸が張れていない。だからリリース時に左肩が開いてしまう。早いタイミングで胸を張り、リリースするときに閉じるように投げられれば、左肩は開かないで投げられる。胸が張れないままスライドしていくから窮屈になり左肩を開かないと投げられなくなってしまう。

これは菅野だけではない。巨人の投手は全員に当てはまる欠点だと断言できる。だから「いい投手が出てきたな」と思っても活躍した翌年から悪くなる。今村、戸郷、高橋などはその典型で、今試合ではビエイラも同じ兆候が見られる。

キャンプでは桑田コーチがラインを出すように指導していると聞いたが、この練習はしっかり理解させてやらないと体が正面を向きやすく、左肩が開きやすくなる。

活躍した投手が悪くなるのはさまざまな理由がある。相手は研究してくるし、打者は慣れも出てくる。もちろん、慢心からくる本人の努力不足もあるだろう。そういう教育も含め、良かった選手が悪くなるのは指導者にも責任の一端がある。(日刊スポーツ評論家)

巨人対ロッテ 5回裏巨人2死満塁、岡本和は逆転満塁本塁打を放つ。投手佐々木朗(撮影・浅見桂子)
巨人対ロッテ 5回裏巨人2死満塁、岡本和は逆転満塁本塁打を放つ。投手佐々木朗(撮影・浅見桂子)