中日の序盤の戦いに点数をつけるとすれば70点。戦力補強もなく、育成という難しいテーマを実行しながらの借金4はギリギリ合格点と言えるでしょう。

さて、24日からは交流戦。ここで足場を固め、その後に再開するリーグ戦に臨むことができるかどうか。交流戦はチームが成長できるかどうかの分かれ目です。育成、強化をより前に進めるためには、21日の広島戦で試された高橋周の遊撃固定化が最重要と見ています。

京田の2軍降格で空席となった遊撃はセンターラインを安定させ、チーム力を底上げするためにも極めて重要なポジションです。遊撃は内野の中で最も難しく、過酷なポジション。28歳の高橋周にとっては厳しい挑戦になると思いますが、俊敏性に優れ、グラブさばきもスローイングも一級品。もともと遊撃対応は十分可能と見ていました。このプランは本人にとってもチームにとっても大きな転機となる可能性を秘めているだけに、ベンチも我慢の起用を続けて欲しいと考えます。

高橋周の遊撃が固定できれば、二塁には勝負強い打撃と安定した守備力の阿部でセンターラインを固めることができます。石川昂の三塁育成路線を継続しながら、左翼には打力のあるA・マルティネスを筆頭に状態のいい選手起用も可能です。

当面、守備の負担を考慮して、打順を下位の7、8番あたりに置けば、スケールの大きな打撃を取り戻すきっかけとなるかもしれません。遊撃は守備範囲がより広がるため、下半身のいっそうの強化が必要となり、プレーヤーとして幅を広げることにもつながるはずです。交流戦18試合。高橋周の遊撃に注目したいと思います。(日刊スポーツ評論家)

二塁守備で好プレーを見せる高橋周平(2022年5月7日撮影)
二塁守備で好プレーを見せる高橋周平(2022年5月7日撮影)
【イラスト】セ・パ交流戦の日程
【イラスト】セ・パ交流戦の日程