投打で若い力が目についた。まずは先発した2年目の根本。タイプとしては剛速球というわけではないが、通常の投手よりワンテンポ後ろが小さく速くボールを離す。腕がいきなり出てくる感じで、打者はタイミングが取りにくい。そのため巨人打線は序盤から直球に差し込まれていた。岡本に本塁打こそ許したが、その直球がプロの世界でも通用することを証明した投球だった。
ボールが抜けたり、引っかかったりと制球が定まっていなかった。高低を狙うよりも、今もっている球種をコースにしっかり投げられれば、もっと簡単に打ち取れるし、三振数も増える。この日の投球は自身の持っている力からするとまだ60点ぐらい。それだけまだ伸びしろがあるなかでの初勝利だったので、さらに今後、期待を抱かせる。
4打数3安打したルーキーの上川畑は自分をよく知っている打者だ。バットを短く持ってコンパクトにバットを振っていた。トップから最短でボールをとらえる。この日はほぼ打ち損じがなかった。今の上川畑は甘いボールならば高い確率で仕留めるだろう。プロで生きる道は何かと考え、たどりついた打撃なのだろう。ショートのレギュラー争いで刺激を与える存在になっている。(日刊スポーツ評論家)