7回の決勝点は走塁が生んだ1点だった。2死二塁で1番清宮は一塁へボテボテの当たり。相手守備の乱れを見て、二塁走者の佐藤龍世内野手(25)が本塁を陥れた。走塁というのは次の塁を狙う強い意欲がないとできないもの。本塁打で点を奪う取るのは派手でいいが、1シーズンで打てる本数には限りがある。その点、走塁は出塁さえすればチャンスはいくらでもある。新庄監督がキャンプから取り組んでいたことが浸透し、選手の意識も変わり始めていると感じさせてくれる得点だった。

今川が初回に満塁本塁打を放ち、4番の仕事をした。左投手がインコースに入れてくるボールに対してのアプローチが向上している。ロッテの左腕ロメロの投じたボールは決して簡単なコースではなかったが、回転と同時に左肘を抜き、つまらないようないいスイングができていた。今川は内側に来るボールに対してはスイング軌道の接点が合ってきていると感じた。対左投手の打率は2割9分1厘で右は2割2分9厘。左投手のときは結果を残しているが、右投手の逃げていくボールにどう対応していくかが、次のステップになるだろう。右投手でも遜色なく打てるようになれば、出場機会ももっと増えるだろう。(日刊スポーツ評論家)

日本ハム対ロッテ 1回裏日本ハム無死満塁、左越え満塁本塁打を放つ今川(撮影・黒川智章)
日本ハム対ロッテ 1回裏日本ハム無死満塁、左越え満塁本塁打を放つ今川(撮影・黒川智章)