打席での威圧感が画面から伝わってくる。自信を持ち打席に立つ村上の充実ぶりは、目を見張るものがある。第1打席は大貫のツーシーム、第2打席はスプリットで打ち取られているが、その後の打席では凡打の影響などみじんも感じさせない。

第3打席は前の打席で仕留められたスプリットを確実にとらえている。第4打席の47号も、三上の真っすぐをひと振りで決めた。甘いボールは逃さない、そして村上のスイングが自然とそういう軌道をたどっている。理想的なミートポイントに、ドンピシャのタイミングでヘッドが出てくる。これで村上は50号を確実に射程圏に入れた。そして大台をクリアするだろう。こうして考えてみると、松井秀喜に匹敵する、そういう打者への勢いを感じる。現実として50本を期待させてくれる日本人バッターは久しい。その松井と比べたくなるほど、今の村上は充実している。

高卒5年目の村上だが、昨年の自信が大きいと感じる。去年は巨人岡本和と競い合っていたが、差はどんどん開いていく。すでに楽な気持ちでタイトルを目指せる展開になっている。本塁打、打点部門ではライバルはいない。あとはタイトルの中で浮き沈みがある打率に、どう挑むか。

相手チームはますます、まともに勝負してくれなくなるだろう。そういう中で、焦りや打たせてもらえないモヤモヤでバッティングを崩さないこと。率をうまく稼ぐ、そのために、どうヒットにつなげていくかへの工夫が必要になる。

相手投手はアウトローを軸に攻めてくるだろう。そしてフォーク、ツーシームを低めのゾーンからボールになる軌道で攻略してくると予想される。そこに四球が絡み、この日のような仕留めるスイングはなかなかさせてもらえなくなる。だが、そこをくぐり抜けて3冠王をつかんだ時、さらに大きく成長できる。

最後に、DeNA投手陣が村上と勝負していたことを、好意的に受け止めた。普通なことだが、これだけ勢いある打者に、首位との直接対決の中で勝負したのは、期待したファンにも迫力ある勝負を見せられたと感じた。打たれた大貫は考えなければならないが、仕留めにいったピッチングには、村上を打ち取って試合に勝つんだという気迫は感じられた。(日刊スポーツ評論家)

DeNA対ヤクルト 7回表ヤクルト1死、村上は右越えに2打席連続本塁打を放つ。手前は打たれた三上(撮影・丹羽敏通)
DeNA対ヤクルト 7回表ヤクルト1死、村上は右越えに2打席連続本塁打を放つ。手前は打たれた三上(撮影・丹羽敏通)