85年の阪神日本一監督で日刊スポーツ客員評論家の吉田義男氏(89)が、今季初開催の伝統の一戦を観戦。不発に終わった佐藤輝明内野手(24)ら阪神のクリーンアップに奮起を促した。

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岡田、原両監督が15年ぶりに対峙(たいじ)した伝統の一戦は、阪神が終盤に突き放された。巨人戸郷に7回までゼロ封、中田翔、大城卓に本塁打を浴びる“空中戦”に持ち込まれた。

吉田 それほど戸郷が良いとは見えなかった。クリーンアップに尽きます。3、4、5番が機能しなかった。緩急をつけられ、7回を投げきるまでに12個のフライアウトで差し込まれた。それも打ち損ないでなく、完全なフライでした。

4回は中野の右前打で、初めて先頭が出塁したが、3番ノイジーが三飛を打ち上げ、4番大山は右飛、5番佐藤輝は二飛に倒れた。

吉田 山あり谷ありのシーズンだから、必ず打線が湿ってくる時期は訪れます。だから監督業に「辛抱」の2文字はつきものなんです。わたしは巨人戦を前に「ひょっとしたら佐藤をスタメンから外すかもしれない」とチラッと頭をよぎった。でもそこは岡田が我慢したんだろうと思いながらみていました。仮にスタメンから外すにしても、それは一時的なものです。だから糸原、渡辺らも戦力として控えている。そこは現場の決断。大山より、あくまでもカギを握っているのは佐藤だ。頑張れ、佐藤ですわ。敗因がはっきりしているだけに、何も痛い1敗だとは思っていない。むしろしっかりと守っています。

4回無死二塁。坂本の右飛を捕球した森下から中野、佐藤輝とつないだ中継プレーで、タッチアップした中田翔の三進を阻止。7回1死満塁で代打長野を迎えると、岡田監督自ら内野に併殺態勢を取る指示を飛ばした。長野を一ゴロに仕留め、オコエには詰まった右前への2点打を許したが、ベンチは最善策を取った。

吉田 4回のプレーは森下から受けた中野の間髪入れずの三塁への送球が光った。開幕カードのDeNA戦でも外野からの中継でショート小幡が好プレーをしていました。7回は長野はゴロが多いからゲッツー態勢は適切だった。ただ当たっていたオコエに回ったところは、西勇は限界だったかもしれない。阪神にとって今年は「打倒巨人」が優勝の条件ではありません。地に足つけた、堅い野球を貫くことです。【取材・構成=寺尾博和編集委員】

巨人対阪神 9回表阪神無死、佐藤輝(手前)が左飛に倒れ、ベンチで厳しい表情の岡田監督(左端)(撮影・江口和貴)
巨人対阪神 9回表阪神無死、佐藤輝(手前)が左飛に倒れ、ベンチで厳しい表情の岡田監督(左端)(撮影・江口和貴)
巨人対阪神 試合後、ベンチから引き揚げる阪神佐藤輝(中央左)(撮影・江口和貴)
巨人対阪神 試合後、ベンチから引き揚げる阪神佐藤輝(中央左)(撮影・江口和貴)
巨人対阪神 ベンチの中からグラウンドを見つめる佐藤輝(撮影・加藤哉)
巨人対阪神 ベンチの中からグラウンドを見つめる佐藤輝(撮影・加藤哉)