阪神の戦いぶりは、すべてがうまく回っているように見える。阪神が強いのか、他が頼りないのか…。

山田 阪神はもっともいいチーム状態にあるといっていいだろう。どのチームも“波”があって、開幕直後はDeNAが乗って、今は阪神にきている。追いかけるチームがもたつき、巨人が少し調子を上げてきたところだ。最初から継投になる試合で、それがうまくいった阪神と失敗した巨人の差だった。

1点を追う阪神は7回1死、巨人2番手・鈴木康から大山が3ボールから死球後、佐藤輝が左前打でつなぎ、森下の左前適時打で同点とした。梅野も左前に弾き返し、木浪の浅い左飛で勝ち越した。

山田 巨人鈴木は前日(25日)のDeNA戦(東京ドーム)から連投で、阪神は岩崎をヤクルト戦(神宮)で使わずに甲子園に帰ってきた。どちらもリリーフにとってはしんどい日で、いざチャンスになると、かさにかかって攻める阪神打線の特長が表れた。巨人は打力に重点を置いた布陣とはいえ、アウト、セーフはさておき、決勝点になった犠飛はクロスプレーにならないといけない。3回にノイジーからの中継プレーも、それが確実にできているのがチームの強味といえる。

1点リードの阪神は8回、約1カ月ぶりの湯浅が2死一、二塁、岡本和を中飛にとった。5人の打者に計18球を投じた(ストレート17球、フォーク1球)。9回は岩崎が締めた。

山田 ある意味、試運転になった湯浅には厳しい打順と場面だが、それを差し引いても制球力を含めていいときのボールではなかった。当分は「8回湯浅」「9回岩崎」の並びでいくだろう。夏場になってどうなるかというのもあるが、岩崎に休養を与えながら、湯浅で締めるという試合も出てくるかもしれない。阪神はいかに交流戦を乗り切るかにかかっている。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】