またしても“ラッキー7の虎”だ。カード初戦(26日)も7回に逆転した阪神が、この日も7回に0-0の均衡を破った。

桧山 特に甲子園の7回はファンの熱気で盛り上がって、相手チームにも雰囲気が伝わっていく。今は一番いいチーム状態で、劣勢でもひっくり返すことのできる攻撃力がある。がそこまで踏ん張っている投手力が大きい。大竹は1回に先頭の吉川尚に甘い球を右前に運ばれた後は低めを意識した投球だった。明暗を分けたのは7回の攻防だ。

7回表。大竹が大城卓に右前打を許し、代走増田大が告げられた。最初はバントの構えだった長野がカウント1-1から遊ゴロ併殺。この間、阪神バッテリーはプレートを外すなど一塁に4度のけん制を入れた。

桧山 巨人ベンチは長野にバントをさせると思ったし、阪神バッテリーは増田大を警戒した。巨人は大竹の初球がボールで、エンドランをかけることのできるカウントにもなりそうだった。長野に期待してバントのサインが変わったのだろうが結果的にゲッツーになってしまった。

7回裏。1死から坂本四球、木浪が犠打で送って、代打渡辺諒の四球後、近本先制打、中野も中前2点打で続いた。

桧山 巨人サイドは渡辺涼で勝負したかったはずだが、ストレートの四球で2死一、二塁で近本に回したのが痛かった。しかもカウントが2-2から3-2になった時点で、巨人外野陣は後ろに下がることになったから、近本の中前打で二塁走者坂本がまんまとホームに生還できた。

ヤクルト、巨人と続く6連戦は、5試合中4試合が「7回」に効果的な得点を上げて優位な展開に持ち込んでいる。

桧山 チーム全体に集中力と緊張感があるから大崩れしそうにない。

【取材・構成=寺尾博和編集委員】