交流戦の阪神-ロッテ1回戦は、天候不良のため中止が発表された。交流戦開幕の西武戦ではカード負け越しとなったが、岡田阪神は出直す。85年阪神日本一監督で日刊スポーツ客員評論家の吉田義男氏(89)が現状を解説した。

 ◇   ◇   ◇

交流戦スタートから負け越した阪神ですが、びくともしません。負け方をみても力を出し切れなかったと割り切れる1敗。それまでが破竹の勢いだったから、ある意味、岡田はほっとしているんと違いますか。

今の阪神には“体力”があるから尾を引くことはない。そのチームをけん引しているのは近本、中野の1、2番。優勝争いする二遊間として物足りなさを感じていたから、特に中野の二塁転向は大成功で、攻守の中心になっている。

4番大山、5番佐藤輝はまぁまぁです。でも、いかにポジションを固定することが大事か、攻撃力にも好影響を及ぼしているのは明らか。そこでポイントになってくるのが「3番」です。ノイジーが打力を発揮できるか、どうかだ。

岡田がノイジーにきつく言うのは期待の裏返しにほかならない。選手を信頼しているからです。日本一になった1985年にバースがキーになったのは、1番は真弓で、2番はちょっと弱かったが、“3番最強説”を示した優勝でした。

確かにノイジーは内外角より、高低の配球が目立って、特に高めの球を振らされている。1、2番コンビを生かすも、殺すも3番ノイジーの存在。日本に来て約半年ですから、監督としてどこまで辛抱できるかです。

他球団の監督をみていると、チームを変える選手を起用すべきなのに、その見極めが出来ていない。阪神は投手力とポジションの固定が大きいが、いまだ「6番」を定めるのがしんどいし、ストッパーも手探りです。

そこを岡田が監督としての手腕を見せてきた。このまま順風にいくことはないし、イバラの道もある。交流戦は新庄監督の日本ハム戦が楽しみだ。えたいの知れないムードがあるから、あなどれない。阪神は雨天中止で切り替えて臨めるはずです。(日刊スポーツ客員評論家)