阪神が独走で18年ぶりのアレを達成した。阪神OBで今春沖縄キャンプでは臨時コーチも務めた日刊スポーツ評論家の鳥谷敬氏(42)は、昨季まで5年連続両リーグワースト失策だった守備力のレベルアップに注目。今季の失策数もセ界で2番目に多いが「致命的なミス、数字に表れないミスが減った」と納得した。【聞き手=佐井陽介】
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阪神は優勝決定時点でセ・リーグで2番目に多い73失策を犯しています。数字だけを見れば、5年連続両リーグワースト失策の昨季からさほど変化がなく映りますが、一方で失策が減ったイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。それは致命的なミス、尾を引くミス、数字に表れないミスが減ったからだと考えます。
昨季はチーム総失点から総自責点を引くと48点。それが今季は128試合時点で39点。単純計算しただけでも、失点に直結する失策の減少がうかがえます。昨秋就任した岡田監督は秋季キャンプから徹底して守りの重要性を選手に植えつけてきました。首脳陣の考えが、勝負どころでの選手の集中力アップにつながっているのかもしれません。
「ここぞ」という時にミスが起こりやすく、大きくなりやすいのは捕球より送球です。同じミスでも捕球なら走者一塁で済むところを、送球だと二塁まで行かれるケースも多々あります。そんな背景もあって、チームは昨秋キャンプから送球の確実性を追求。成果は着実に身を結んでいます。
例えば8月8日巨人戦では8回無死一、二塁、左中間を破られた二塁打で中堅近本選手、遊撃木浪選手とつなぎ、一塁走者の同点ホームインを間一髪で阻止。外野手は素早く低くカットマンへ-。昨秋からの反復練習が実った連係プレーは印象的でした。同時に、外野からの本塁送球が浮く間に無駄な進塁を許すシーンも減っている印象です。
岡田監督が重視する二遊間にしても、送球に不安があった中野選手を遊撃から二塁に移し、基本は遊撃木浪選手とのコンビで固定したことで、併殺プレーの精度が高まりました。送球に移りやすいトスの捕球位置1つにしても人それぞれ。これもポジション固定から練習や話し合いの回数を増やした成果でしょう。
コンバートに送球練習、二遊間強化…。昨秋から一貫した結果の優勝ですから、岡田監督の喜びもひとしおだと想像します。




