オリックスが2位ロッテとの直接対決を制して、3年連続パ・リーグ優勝を果たした。

3連覇は「がんばろうKOBE」を合言葉に2連覇した95、96年を超えて、オリックスとしては初めてだ。球団OB会長で日刊スポーツ評論家の山田久志氏(75)が今年の戦いを解説した。

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今はFA、メジャー流出など、頻繁に他球団への移籍が行われてチームががらっと変わる傾向が強い。だから「連覇」は非常に難しい時代と思っていた。チームを作る上で困難な壁を乗り越え、3年連続で果たしたオリックスの優勝は見事だった。

しかも、中嶋監督はまったくメンバーを固定するそぶりを見せなかった。野手をフレキシブルに起用しながら勝ち抜いた。過去の例からも、優勝するような強いチームは打線を固定して勝ったから、珍しい優勝とも言えるだろう。

不安のない船出ではなかった。最大の懸案は吉田正の穴を埋めることで、森の加入は本人のためにも、オリックスのためにも最善だった。昨季のようにうまく1、2番が機能せず、杉本も安定感を欠いた。森が勝負強さを発揮し、頓宮の成長が打線をけん引した。

中嶋監督にとっても1年前の苦い経験が生かされた。昨オフ、本人から「優勝できるとは思いませんでした」と聞いていた。ソフトバンクの敗北を待ってのタナボタの優勝が反省になった。143試合をトータルで考えながら勝つマネジメントを手がけた。

その1つが、舜平大の開幕投手だろう。WBCを戦った山本、宮城、宇田川ら主力を中途半端に復帰させなかったのは、勝つための戦略だった。完全に疲労がとれるのを待って戦列復帰させた。一方で「4年計画」を育成方針とする舜平大を抜てきし、チーム全体に刺激を与えた。

投手力に手応えをもっているからこそ、「日替わり打線」と言われてメンバーを固定することなく戦い抜くことができた。ストッパー平野佳のやる気をくすぐり、とはいえ決して無理をさせない起用をした。高い守備力も勝因だ。

指揮官として選手を突き放すのでなく、これをやれるようになったら、また1軍で起用するからという姿勢には“情”も感じられた。中嶋監督らしい我慢強さだった。福良GMを中心とした「フロント力」も大きい。常勝オリックスの時代が続く予感がする。

【イラスト】オリックスの年度別成績一覧表
【イラスト】オリックスの年度別成績一覧表
パ・リーグ3連覇を果たし胴上げされるオリックス中嶋監督(撮影・石井愛子)
パ・リーグ3連覇を果たし胴上げされるオリックス中嶋監督(撮影・石井愛子)